幸せのある老人ホーム
幸せのある老人ホーム
岩城 祐子 著
本屋さんで何気なく手にとった本だったのですが、
とても考えさせられる内容だったので、
ご紹介します。
著者の岩城さんは、
お手伝いさんのいるような家庭で育たれたのに、
旧家の男性と結婚したら、家計は火の車で、
サラリーマンだったご主人からお給料はもらえない上に、
お義母さんから、
「今日から生活はあなたにみてもらいます」と宣言されたため、
自分が家族を養ってきたというタフな(ありえない?)女性です。
ご自身が家計を支えていたために、
他の仕事をしながら、親の介護をするのは難しかったことで、
当時は珍しかった有料老人ホームを始めた経緯が書かれています。
文章が、上品な話し言葉で書かれているため、
読みなれるのに、ちょっと時間がかかりましたが(笑)、
役所や介護保険の問題点など、鋭く指摘されていたり、
公的な老人ホームが、介護される側の人格を尊重せず、
介護する側が合理的に進められるようにという考えの下、
運営されている様子があって、読んでいてせつなくなりました。
岩城さんは、認知症になった老人を家族が看る限界についてや、
以前と違い、今は親の有料老人ホーム入居のための一時金、
1000~2000万円を、子供が用意できないケースが増え、
親自身がその費用だけは自衛することについても書かれています。
確かに、今のように、若い世代の年収が下がったり、
未婚でも、既婚後でも、親の貯蓄をアテにするパラサイト化が
問題になっている時代なので、
この傾向は、今後益々厳しくなっていくのでしょうし、
ウチだって、兄弟で折半するにしろ、お互いの両親4人で、
最低でも4000万円を・・・と考えると、
まだまだ子供の教育費の総額が見えない今は、
結構、不安になります。
また、岩城さんが沢山の老夫婦を看てきた中で、
相手が認知症になった時、夫は妻に優しくできるけれど、
妻は夫が男でなくなったと感じた時、冷淡になるのだとか(汗)。
それもあって、介護疲れした妻が虐待するケースも多いという
現実を書かれていました。
・・・看てこられた事例が多いだけに、反論できません。。。
なので、夫の方が先に認知症がでた場合は、
早めにご主人を老人ホームに預ってもらう方がいいのだそうです。
そうして、自立できる部分は自立して最期を迎える方が、
お互いのためにもいいのだとか。。。
とはいえ、介護施設で働いてもらうには、
高齢者が気軽に話したり頼めるという点で、
中高年の女性の方が向いているとか。
この辺の意識は身内に対するものとは違うのかもしれませんね。
もちろん、反論がある方も沢山いらっしゃるのでしょうけれど、
岩城さんの言葉は、愛情が溢れていて、
読んでみて損のない一冊だと思いました。
一昨年位に、大家さん仲間で老人介護施設を作る話もちらほら
ありましたが、老人介護施設の立地としては、
従来のような、人里離れた風光明媚な場所より、
老若男女が行き交う庶民派の街の方が、高齢者が楽しんで
過ごせると書かれていて、なるほどと思いました。
そういう視点でも参考になるかもしれません。
| 固定リンク | コメント (4) | トラックバック (0)



最近のコメント